中古物件を購入する際の諸費用
中古物件を購入する際には、物件の価格だけでなく、他にもさまざまな費用が発生します。
これらの費用を事前に理解しておかないと、予想以上の出費が発生し、物件の検討を見直さなければならなくなる可能性もあります。
さらに、新しい生活の計画も狂うかもしれません。
ここでは、どのような種類の諸費用がかかるのかについて解説しますので、購入額を全体的に把握し、後で後悔することのないようにしましょう。
中古物件を購入する際の諸費用の目安
中古物件を購入する際には、物件の価格以外にもさまざまな費用や税金が発生します。
これらの諸費用は、中古物件の場合でも購入額の6〜10%が必要とされています。
つまり、たとえば3,000万円の中古物件を購入する場合、この他に180〜300万円程度の余分な費用が必要となります。
事前にどれくらいの費用が必要になるのかを把握することで、無理のない資金計画を立てることができるでしょう。
中古物件を購入する際の諸費用の内訳
中古物件を購入する際にかかる主な諸費用は以下の通りです。
– 印紙税
– 不動産取得税
– 仲介手数料
– 登録免許税
– 司法書士費用
– ローン保証料
– 火災保険料・地震保険料
– 融資事務手数料
– 団体信用生命保険料
– 抵当権設定登記費用
– 固定資産税・都市計画税
これらの費用を一覧にすると、かなり多岐にわたることがわかります。
それぞれの費用について、具体的な内容や相場などについて解説していきましょう。
印紙税
印紙税は、不動産の売買契約書や住宅ローンの契約書、建築請負契約書などを作成する際に、契約書1通ごとに課される税金のことです。
不動産取得税
不動産取得税は、不動産を取得した際に課される税金のことです。
不動産取得税は地方税であり、自治体から送付される納税通知書に記載された金額を納税する必要があります。
不動産取得税は、「固定資産税評価額×税率」で算出されます。
固定資産税評価額は、固定資産課税台帳に登録されている価格です。
税率は基本的に4%ですが、土地・家屋は、軽減措置により2024年3月31日まで3%に引き下げられています。
仲介手数料
物件のオーナーと物件購入者を不動産会社が仲介した場合、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
不動産会社は両者が提示している条件などを調整し、契約事務を代行します。
ただし、仲介手数料は単純な計算ではありません。
例えば、契約金額が1,000万円の場合、手数料は次のように算出されます。
最初の200万円までに対して5%の手数料が発生し、次の200万円から400万円までには4%の手数料が発生します。
残りの600万円に対しては3%の手数料が発生します。
これらの手数料を合算し、仲介手数料の上限である36万円(消費税を加算)となります。
登録免許税
登録免許税は、不動産の登記手続きの際に課される税金です。
登記税は「課税標準×税率」で計算されます。
中古物件を購入する場合の税率は2%ですが、住宅ローンを利用して購入する場合は、抵当権を設定することになるため、債権額の0.4%となります。
ただし、中古物件住宅の場合、一定の要件を満たすと税率が軽減される場合があります。
例えば、自己の専用住宅(居住用部分)の床面積が50㎡以上であり、建築後20年以内(耐火建築物の場合は25年)の家屋である場合、あるいは築後年数にかかわらず新耐震基準に適合することが証明され、または既存住宅瑕疵担保保険に加入している場合は、軽減措置が適用されます。
なお、軽減措置は建物にのみ適用されるため、土地には適用されませんので、ご注意ください。
司法書士費用
司法書士に依頼して不動産登記や抵当権設定などの手続きを行う場合、その報酬として支払う費用です。
司法書士の報酬は登記の種類や住宅の価額によって異なり、おおよそ4万円から20万円ほどと言われています。
ただし、司法書士事務所によって料金が異なるため、事前に事務所に確認する必要があります。
なお、司法書士が手続きを行う際には、登記免許税や印紙代、手数料などの費用が発生する場合があり、その場合は立て替えた費用も一緒に支払う必要があります。
ローン保証料
住宅ローンの契約にあたり必要な費用です。
住宅ローンの債務者が何らかの理由で返済が困難になった場合、保証会社が代わりに返済するための料金です。
ローン保証料は一括で支払うか、毎月のローン返済に上乗せして支払う方法があります。
保証料の金額は、融資額や返済期間によって異なりますが、例えば35年間で融資額が3,000万円の場合、おおよそ60万円が目安とされています。
なお、一部の金融機関ではローン保証料が無料となっている代わりに、少しだけ高めの返済金利を設定している場合もあります。
どちらが自分の生活スタイルに合っているかを検討しましょう。
火災保険料・地震保険料
火災保険は火災だけでなく、台風や豪雨、盗難などの人災にも備えることができる保険です。
地震保険に加入するためには、まず火災保険に加入することが必要です。
住宅ローンで購入した物件が災害や被害に遭った場合、深刻な問題になる可能性があるため、万一に備えて火災保険に加入しておくことをおすすめします。
多くの金融機関では、住宅ローン契約時に火災保険への加入を義務づけています。
これらの保険料は、月払いや年払い、一括払いなどの支払い方法から選ぶことができますが、一般的には口座振替による支払いが一般的です。
融資事務手数料
住宅ローン契約時に必要となる手数料です。
金融機関の手数料の種類と相場について
金融機関では、融資手数料や事務取扱手数料など、さまざまな手数料が存在します。
融資手数料には、定額型と定率型の二種類があります。
定額型は、借入金額に関係なく一律の料金が設定されるタイプです。
一方、定率型は借入金額に応じて手数料の割合が異なるタイプです。
融資事務手数料の相場は、ネット銀行では借入金額の2.2%、メガバンクではおおよそ3万円程度です。
初めに見ると、メガバンクの方が安いように思えますが、実はメガバンクではネット銀行とは異なり保証料が必要になります。
そのため、メガバンクとネット銀行の手数料の差はほとんどないと考えていいでしょう。
団体信用生命保険料
団体信用生命保険料とは、住宅ローンを組む際に契約者が加入する生命保険のことです。
この保険は、もしもの時に借入残債を0円にするためのものです。
金融機関によっては、住宅ローンの際に団体信用生命保険への加入を義務付けている場合もあります。
保険料の支払いについては、金利に含まれており、別途の支払いは必要ありませんが、別途支払いが発生する場合もあります。
抵当権設定登記費用
中古住宅を購入する際に、住宅ローンを組む場合、抵当権の設定が必要です。
銀行がお金を融資する際、お金を借りる側は購入予定の物件や土地を担保として提供することが一般的です。
抵当権とは、金融機関が融資したお金を確実に回収するために土地や物件を担保として利用できる権利のことです。
抵当権の設定登記は専門的な手続きが必要であり、法務局の審査も厳格です。
したがって、司法書士などの専門家に手続きを依頼し、適切に行う必要があります。
抵当権設定登記費用については、多くの場合、司法書士が立て替えるケースがありますので、司法書士に支払います。
固定資産税・都市計画税
固定資産税は、不動産の所有者に課せられる税金です。
不動産を購入後は、毎年納める必要があります。
税額は土地や建物の評価額に応じて変動します。
また、都市計画税も同様に不動産の所有者に課せられる税金であり、固定資産税と同じく、所有する不動産の評価額に基づいて課税されます。
これらの税金は、不動産を所有することに伴って支払われるものであり、税額は所有する不動産の評価額によって異なります。
中古物件を購入する際の諸費用の節約方法
火災保険に注目しましょう 中古物件の購入にかかる諸費用の節約方法を紹介します。
火災保険の内容を見直す 火災保険において、諸費用を節約する方法があります。
火災保険の料金は、建物の評価額や保険の内容によって決まります。
したがって、保険料を節約するためには、保険の内容を見直すことが重要です。
保険料は保険の内容によって異なるため、物件に本当に必要な保険内容かどうかを確認する必要があります。
例えば、川や海から離れたエリアであれば、水害の補償は必要ないかもしれません。
また、高価な家具を持っていないのであれば、家財補償を外すこともできます。
自分たちの住む地域や生活スタイルに合わせて必要のない補償を外すことで、保険料を削減できます。
また、火災保険は1年〜10年の契約期間を選ぶことができますが、長期の契約をすると、年ごとの保険料が安くなる場合があります。
中古物件購入時によくある質問 中古物件を購入する際の諸費用はいくらか? 中古物件を購入する際にかかる諸費用は、税金を含めて購入金額の6〜10%程度と言われています。
例えば、2,000万円の中古物件を購入する場合、約120万〜200万円程度の諸費用が必要となります。
また、3,000万円の中古物件を購入する場合、約180万〜300万円程度の諸費用が必要となります。
物件の金額と諸費用を事前に計算し、総額を把握しておくことが重要です。
中古物件の購入にかかる諸費用とは?
中古物件を購入する際には、以下のような諸費用が発生します。
1. 印紙税 物件の価格に応じて支払われる税金です。
購入時に直接支払われます。
2. 不動産取得税 土地や建物の取得に伴って支払われる税金です。
物件の価格に応じて計算され、購入時に支払われます。
3. 仲介手数料 不動産業者に支払われる手数料です。
物件の価格の一部に相当する金額が求められます。
4. 登録免許税 不動産の登記手続きに伴って支払われる税金です。
物件の価格に応じて計算され、登記時に支払われます。
5. 司法書士費用 不動産取引の手続きを担当する司法書士の費用です。
手続きの内容や物件の価格に応じて金額が異なります。
6. ローン保証料 住宅ローンを組む場合に必要となる保証人などの手続きに伴って支払われる料金です。
7. 火災保険料・地震保険料 物件の火災や地震などの災害に備えるために保険料として支払われる費用です。
8. 融資事務手数料 住宅ローンを組む際に発生する手続きの費用です。
金融機関によって異なる場合があります。
9. 団体信用生命保険料 住宅ローンを組む際に加入する信用生命保険の料金です。
ローン残高に応じて支払われます。
10. 抵当権設定登記費用 抵当権の登記手続きに伴って支払われる費用です。
抵当権が物件に設定されるために必要な手続きです。
11. 固定資産税・都市計画税 物件所有者が年に一度支払う不動産の税金です。
支払い時期や金額は地域によって異なります。
これらの諸費用は、中古物件購入に際して必要な出費となります。
中古物件購入時の諸費用を住宅ローンに組み込むことはできる?
中古物件を購入する際に発生する諸費用の一部は、住宅ローンとして組み込むことができます。
具体的には以下の費用が該当します。
– 印紙税 – 融資事務手数料 – 住宅ローン保証料 – 登録免許税 – 司法書士費用 – 火災保険料 – 仲介手数料 ただし、税金関連の費用は住宅ローンとして組み込むことはできません。
これらの費用を住宅ローンに組み込むことによって、頭金を減らすことができます。
自己資金が限られている場合には便利な方法ですが、オーバーローンを組むことになるため、金利がかかることや返済総額が増えることに留意する必要があります。
まとめ
中古物件を購入する際には諸費用が発生します。
これらの費用の一部は住宅ローンに組み込むことができますが、税金関連の費用は除かれます。
諸費用の支払い方法を考慮しながら、資金計画を立てることが重要です。
また、諸費用以外にも引越し代や家具家電の購入費なども考慮して、予算を見積もるようにしましょう。