最新のデータによると、首都圏の中古一戸建て住宅の成約件数が4年ぶりに過去最高を更新しました。
中古マンションは供給数(市場に売り出される数)が減少しているため、成約件数は減少していますが、価格や平米単価は8年連続で上昇しており、ますます人気が高まっていることが分かります。
これには、中古住宅市場が活況を呈していることが要因として挙げられます。
中古一戸建て住宅を購入する際には、いくつかのデメリットに注意が必要です。
中古戸建てのデメリット
ここでは中古戸建のデメリットを見ていきましょう。
住宅ローン審査や各種優遇制度で不利になってしまうこともある
住宅ローンの審査では、購入する家の価値が重要な基準となります。
新しい家と比べて、古い家は評価が下がってしまうことがありますので、いくつかの要素が考慮されます。
例えば、家の築年数や状態が審査の厳しさに影響することがあります。
さらに、住宅ローン控除や他の優遇制度には、家の築年数に関する条件が設けられている場合もあります。
このため、事前に制度の要件を確認することが重要です。
維持費がかさみやすい
中古の一戸建て住宅には、購入後の維持費や修繕費用が増える可能性があるというデメリットがあります。
新築と比べて、古い建物や設備は劣化しやすくなるので、購入後間もなく修繕が必要となることもあります。
特に、築年数が経過している物件では、耐震性などの問題が生じることが多く、安全な住居を確保するためにリフォームが必要になるケースもあります。
そのため、購入する際には建物や設備の状態を詳しく調べて、修繕費用やメンテナンスコストを考慮に入れた資金計画を立てることが重要です。
中古マンションのデメリット
次に中古マンションのデメリットを見ていきましょう。
住宅設備が古い
中古マンションは、中古の一戸建てと比べても、より古くなった建物の数が多いです。
中古マンションは築年数が経過していることが特徴であり、建物や共用部分には問題がなくても、室内の設備が劣化していることが少なくありません。
室内の設備は私たちの日常生活に直接関わるものですので、古くなった物件を購入する際には、新しいものに交換する費用を含めて購入代金を検討しておくことが安心です。
修繕積立金が高い
ンションは、一戸建てとは異なり、複数の住戸があるため、共用部分の管理と保全のために管理費や修繕積立金が必要です。
特に、修繕積立金は築年数が経過するごとに必要となる金額が増える傾向があります。
修繕積立金は、マンションの共用部分や共同施設の修繕や改修に使用されます。
築年数が古くなると、建物や設備の劣化や老朽化が進み、補修や改修が必要となります。
そのため、管理組合や管理会社は、将来の修繕や改修の費用を予め計算し、毎月の管理費に含める修繕積立金を積み立てます。
修繕積立金の金額は、修繕や改修の必要な箇所や予想される費用によって変動しますが、一般的には築年数が古くなるほど高くなる傾向があります。
これは、古い建物や設備の修繕や改修にはより多くの費用が必要となるためです。
修繕積立金は、将来の修繕や改修のために必要な資金を確保し、住宅の資産価値を維持するために重要な要素となります。
メンテナンスの充実したマンションは、住民の安心と快適な生活を支えるとともに、将来のムダな出費を抑えるためにも重要なのです。
築40年以上の物件には耐震基準が低いものもある
日本では地震が頻発するため、建築基準法による耐震性の基準が頻繁に厳しくなります。
その中でも1981年から導入された「新耐震基準」は特に大きな変化をもたらしました。
この新耐震基準以前の基準は「旧耐震基準」と呼ばれ、旧基準で建設された建物の多くは、現在の基準に比べて耐震性が低いですので、注意が必要です。
ただし、旧耐震基準で建てられたマンションでも、補強工事などによって新耐震基準と同等の耐震性を持つ物件も存在します。
中古住宅(戸建・マンション】のメリット
中古住宅はデメリットさえ解消できれば、新築住宅に比べて価格が割安で立地条件や生活環境も整っているという利点があります。
リフォームやメンテナンスを行うことで、快適な住まいにすることができます。
そのため、中古住宅が最良の選択肢となる場合も決して少なくありません。
実物を見て購入できる
新築物件と比べて中古物件の利点は、実際に物件を見ることができることです。
中古物件を購入する際には、共用部分の管理状態を確認することができます。
マンションの場合は、「マンションは管理を買え」と言われるほど、管理状態やメンテナンスの状態は重要な要素です。
しかし、新築物件では購入する前に実際の状態を確認することができません。
一方、中古物件では購入前に管理体制や入居者の質などをある程度確認することができるため、その点については安心感があります。
新築物件よりも価格が安い
中古住宅を購入することには、新築住宅よりも安い価格で手に入れることができるという大きなメリットがあります。
もし新築住宅と同じ価格帯であるならば、より便利な立地条件やより広い家を選ぶことも可能です。
したがって、中古住宅を選ぶことで、住まい選びの選択肢が一気に広がるわけです。
リフォーム・リノベーションに費用をかけられる
中古住宅を購入する際には、他の選択肢として、予算を抑えるために購入代金の節約を考える一方で、自分の理想に近づけるためにリフォームやリノベーションにお金を投資する人も多いです。
このような場合、大規模なリノベーションを行うことで、間取りなどを自由に変えることができることがあります。
その結果、建て売りの一戸建てや新築マンションよりも、より自分に合った住まいを手に入れることが可能です。
中古住宅を購入するときの注意点
中古住宅を購入する際には、いくつかの重要な点に注意する必要があります。
以下では、購入前に注意しておくべきポイントについて詳しく解説します。
資金計画はトータルコストで考える
中古の住宅は、新築と比べて設備の交換や建物の修繕が早く必要になることがよくあります。
このため、修繕にかかる費用を含めた総費用を考慮して資金計画を立てることが重要です。
リフォーム・リノベーションの相談が可能な不動産会社をに相談
リフォームやリノベーションを考えているのであれば、まず最初に不動産会社に相談しながら物件を購入していくことが重要です。
なぜなら、物件によっては構造上の問題や法令上の制限のために一部の柱や壁を撤去することができない可能性もあるからです。
特にマンションでは、管理規約などの制約によってリフォーム内容に制限がかかることもあります。
そのため、リフォームやリノベーションに詳しい不動産会社を選び、専門的な視点からアドバイスを受けることで安心感が得られます。
まとめ
中古の一戸建てを購入する際には、購入後にかかる維持費や修繕費を見込んで、資金計画を立てる必要があります。
なぜなら、中古の家は新築物件と比べて、設備や建物の劣化が進んでいる可能性があるため、修繕やメンテナンス費用がかかることが考えられるからです。
また、住宅ローンの審査や各種の優遇措置の要件は中古物件の場合、厳しくなる可能性があるため、購入前に事前に調べておくことが重要です。
これは、物件自体の価値や将来的なリスクの要因によるものです。
中古のマンションを購入する際には、修繕積立金に注意が必要です。
なぜなら、長年にわたって建物の修繕や改修が必要な場合、修繕積立金が高くなりやすいからです。
修繕積立金は、共有部分や設備の劣化や老朽化に備えるために、入居者が分担して貯める必要があるお金です。
一方、中古の住宅を購入するメリットとして、購入費用を抑えてリノベーションに費用をかけることができる点が挙げられます。
中古の住宅は築年数が経っているため、購入価格が新築物件よりも安くなることがあります。
これにより、購入後にリノベーションを行うことで、自分の好みやニーズに合った家を作り上げることができます。
購入前には、ホームインスペクションや管理評価書などの仕組みも理解しておくと安心です。
ホームインスペクションは、専門家が物件の状態や構造を調査し、問題点やリスクを明らかにするものです。
管理評価書は、マンションの管理状況や共有部分の劣化具合を評価した情報です。
これらの情報を理解することで、購入する物件の状態を把握し、安心して購入することができます。